Ｈ。

Ｈといえば性行為といいたいところだが、残念ながら違う。私にとってのＨとはハッピーである。

人は幸せを求めて生きていく。苦労して苦労して苦労した先に待っているものが幸せであるとは決して限らないが、実は幸せとはもっと身近にある。目覚めのコーヒーが美味しかったこと、バス停に着いたらすぐにバスが来たこと、電車で運よく座れたことなど、ごく当たり前の風景の中に溶け込みがちではあるが、幸せとは確実に身近に存在しているものなのだ。

重要なのはそれに気付くかどうか。いや、気付けるかどうかと表現した方が適切かもしれない。地上にある星を見ようとせずに空ばかり見ているとは、中島みゆき氏が地上の星の中で謳っていることだが、まさにその通り。幸せというものはすぐそこに転がっているのだ。

極論をいえば、こうして生きているだけでも人は幸せなのだから。

良いことがないと嘆く前に、少しだけ立ち止まって足元を見てみよう。そこにはきっと。